家族葬は、静かにゆっくりと故人をお見送りすることができるのですが、参列する人数が少ない状態で行うので、お香典の金額が少なくなり、一般的な葬儀と出費がほとんど変わらないことがあります。家族葬は、お香典を参列者から受け取るかどうかを遺族との間で前もって話し合っておいて、はっきりさせておくことが必要です。そして、参列する人が限られてしまうので、葬儀に呼ばれずに参列することができなかった人たちが、日を改めて弔問に訪ねてこられることによって、せっかく葬儀を済ませたのに遺族が対応に追われてしまうということもよく起こりがちです。また、参列者を絞り込んであるため呼ばれなかった人とトラブルが発生する可能性もあります。

家族葬に対する理解を示さない人もいるため、生前に故人がお世話になっていた人には、丁寧に応対することが必要になります。高齢になってから亡くなって、ほとんどの知人が亡くなっているときは問題ないですが、知人がたくさんいるときには一般葬を執り行なった方が、後になって手間がかからないこともあるため注意が必要です。近頃の葬儀で大事なことは、形式や慣習にこだわらず、故人がどんな人にどんなお見送り方で執り行なってもらいたいかを尊重するということです。そして、故人の人生を遺族や知人が偲んで、故人の遺志が将来に繋げられるような、参列した方が良いお見送りをできたと感じることができるような形で行うことです。

遺族は喪失感を感じつつも、葬儀を準備しなくてはいけないので、良いお見送りができたと感じるような形で執り行うことができれば、その喪失感も緩和されます。